0797-23-2650
〒659-0021 兵庫県芦屋市春日町1-17
美しく暮らしやすい住宅は910mmの基本寸法で設計する
今回は、平面図のモジュール(基礎単位寸法)の用い方をご紹介しましょう。
日本における、住宅の平面におけるモジュールは910mmです。
これはわが国において歴史的につくり上げられた尺(303mm)をベースにし、その3倍を基礎単位として設定したものです。
3尺(909mmでは倍数が増えると計算しにくいので910mmと決められている)は概ね人間一人が生活空間として必要とする幅方向の長さです。
6尺(1.820)は、概ね人間1人が必要とする背丈方向の長さです。
コンパクトな江戸間の畳は概ね3尺×6尺で、これが人間一人が横たわり寝返りが打てる寸法になります。
今の背が伸びた若者には若干窮屈でしょうが、現在でもほとんどの人にとっては許容しうる範囲の一人前の就寝空間(布団利用で)と評価して良いでしょう。
910を1コマと名づけ、住宅の各部屋のコンパクトな必要最少面積を考えてみましょう。
図をご覧下さい。
WCは洋式として1コマ×1.5コマ(910×1.365)が必要最少寸法で、手洗い付きの便器を採用すれば、通常はこの寸法で機能面の達成は十分です。
洗面脱衣室は2コマ×2コマ(1.820×1.820)とし廊下からの出入り口を浴室側にとれば、洗面台・洗濯機・着替え用の整理ダンスなどが設置できる機能上の必要最少面積となります。
浴室は2コマ×2コマ(1.820×1.820)としましょう。
1.365×1.820と浴槽を短くする間取りもあり得ますが、入浴はリラックスする重要な空間でもあり、一坪くらいは確保しておきたいですね。
浴室内の仕様は、防水性や断熱性などの機能的な必要から、贅沢ではないユニットバスの使用をお薦めします。
ユニットバスであれば、2階にも水漏れの心配少なく、安全に浴室が設置できます。
台所は、アメリカのようなパーティを頻繁に自宅で行うような生活スタイルでない限り、3コマ(間口)×2.5コマ(奥行き)=2.730×2.275の寸法で十分でしょう。
片面に、L=2.500程度の流し+コンロ設置のI型流し、その反対側の壁面に冷蔵庫と食器棚が置かれます。
流しと冷蔵庫や食器棚の距離は1.2~1.5mぐらいで動く距離は短く、2人でも調理ができるという寸法になります。
図に描かれている台所は閉鎖的な独立型キッチンですが、流しの前面の壁を取っ払いリビングダイニングに面して設えれば、いま人気の対面式キッチンになります。
階段の寸法は、2コマ×2コマ(1.820×1.820)で折り返し階段がうまくはまります。
踏面182mm蹴上230mmというやや急に思える階段ですが、1.350mm程度上がれば踊り場があるあり返し階段では、かなりのお年寄りでも苦労なく上がり下がりできます。
直線状の階段では、1コマ×2.5コマ(910×2.275)、あるいはもっと緩い階段を求める場合は1コマ×3コマ(910×2.730)としますが、長手3コマの場合は勾配角度が約45度に近づくという緩い階段になります。
転落時の安全性や、面積の節約のためには、折り返し階段を採用する方が良いでしょう。
廊下幅は通常は1コマ(910mm)で十分ですが、2人が身をかわすことなくすれ違う必要がある場所では、1.5コマ(1.365mm)の幅をとれば良いでしょう。
収納スペースとしては、布団を入れる押入の場合は、奥行きが1コマ(910mm)、洋服だなの場合はハンガー+洋服の幅が十分収まるよう0.75コマ(約700mm)の奥行きが必要になります。
個室やLDKなども含め、住宅全体の構成要素を、上記のように910mmの格子上に載せスッキリと間取りを作れば、無駄の少ない合理的な間取りとすることができます。
また柱などの構造体の配置も合理的なものになり、耐震性に高い安全性と、無駄の無い合理的で安価な構造体を作り出すことも容易になります。
だいぶ長くなりましたので、今回のブログはこのぐらいで止めておきましょう。
次回のブログでは、LDKや寝室・多目的室・玄関の寸法の設定の仕方についてご説明します。
○●————————————-●○ 生活空間研究所 電話番号 0797-23-2650 住所 〒659-0021 兵庫県芦屋市春日町1-17
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今回は、平面図のモジュール(基礎単位寸法)の用い方をご紹介しましょう。
日本における、住宅の平面におけるモジュールは910mmです。
これはわが国において歴史的につくり上げられた尺(303mm)をベースにし、その3倍を基礎単位として設定したものです。
3尺(909mmでは倍数が増えると計算しにくいので910mmと決められている)は概ね人間一人が生活空間として必要とする幅方向の長さです。
6尺(1.820)は、概ね人間1人が必要とする背丈方向の長さです。
コンパクトな江戸間の畳は概ね3尺×6尺で、これが人間一人が横たわり寝返りが打てる寸法になります。
今の背が伸びた若者には若干窮屈でしょうが、現在でもほとんどの人にとっては許容しうる範囲の一人前の就寝空間(布団利用で)と評価して良いでしょう。
910を1コマと名づけ、住宅の各部屋のコンパクトな必要最少面積を考えてみましょう。
図をご覧下さい。
WCは洋式として1コマ×1.5コマ(910×1.365)が必要最少寸法で、手洗い付きの便器を採用すれば、通常はこの寸法で機能面の達成は十分です。
洗面脱衣室は2コマ×2コマ(1.820×1.820)とし廊下からの出入り口を浴室側にとれば、洗面台・洗濯機・着替え用の整理ダンスなどが設置できる機能上の必要最少面積となります。
浴室は2コマ×2コマ(1.820×1.820)としましょう。
1.365×1.820と浴槽を短くする間取りもあり得ますが、入浴はリラックスする重要な空間でもあり、一坪くらいは確保しておきたいですね。
浴室内の仕様は、防水性や断熱性などの機能的な必要から、贅沢ではないユニットバスの使用をお薦めします。
ユニットバスであれば、2階にも水漏れの心配少なく、安全に浴室が設置できます。
台所は、アメリカのようなパーティを頻繁に自宅で行うような生活スタイルでない限り、3コマ(間口)×2.5コマ(奥行き)=2.730×2.275の寸法で十分でしょう。
片面に、L=2.500程度の流し+コンロ設置のI型流し、その反対側の壁面に冷蔵庫と食器棚が置かれます。
流しと冷蔵庫や食器棚の距離は1.2~1.5mぐらいで動く距離は短く、2人でも調理ができるという寸法になります。
図に描かれている台所は閉鎖的な独立型キッチンですが、流しの前面の壁を取っ払いリビングダイニングに面して設えれば、いま人気の対面式キッチンになります。
階段の寸法は、2コマ×2コマ(1.820×1.820)で折り返し階段がうまくはまります。
踏面182mm蹴上230mmというやや急に思える階段ですが、1.350mm程度上がれば踊り場があるあり返し階段では、かなりのお年寄りでも苦労なく上がり下がりできます。
直線状の階段では、1コマ×2.5コマ(910×2.275)、あるいはもっと緩い階段を求める場合は1コマ×3コマ(910×2.730)としますが、長手3コマの場合は勾配角度が約45度に近づくという緩い階段になります。
転落時の安全性や、面積の節約のためには、折り返し階段を採用する方が良いでしょう。
廊下幅は通常は1コマ(910mm)で十分ですが、2人が身をかわすことなくすれ違う必要がある場所では、1.5コマ(1.365mm)の幅をとれば良いでしょう。
収納スペースとしては、布団を入れる押入の場合は、奥行きが1コマ(910mm)、洋服だなの場合はハンガー+洋服の幅が十分収まるよう0.75コマ(約700mm)の奥行きが必要になります。
個室やLDKなども含め、住宅全体の構成要素を、上記のように910mmの格子上に載せスッキリと間取りを作れば、無駄の少ない合理的な間取りとすることができます。
また柱などの構造体の配置も合理的なものになり、耐震性に高い安全性と、無駄の無い合理的で安価な構造体を作り出すことも容易になります。
だいぶ長くなりましたので、今回のブログはこのぐらいで止めておきましょう。
次回のブログでは、LDKや寝室・多目的室・玄関の寸法の設定の仕方についてご説明します。
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